食事

2026.08.27
2026.09.03

おやつは食べるのにご飯を食べない犬|原因と対処法

「ドッグフードには見向きもしないのに、おやつを見せると飛んでくる。」
このような愛犬の行動に悩む飼い主さんもいるのではないでしょうか。

一見すると「ただのわがまま」のように思えますが、実際にはさまざまな理由が考えられます。
この記事では、犬がおやつだけ食べる理由から対処法まで詳しく説明していきます。

目次

この記事を書いた人

イノリ

愛媛県出身。趣味は音楽と美味しいご飯を食べること。デザイナーとしても活動中。

実家でビーグルを飼っている。揺れる耳が可愛い。帰省の際に一緒に海で黄昏るのが最高の癒しの時間。

ペットカートがあったら自分流にカスタマイズするのが楽しそうだなと思う。

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1.犬がおやつだけ食べる主な原因

1-1.おやつの方がおいしいと覚えてしまった

最も多い原因がこちらです。

市販のおやつは犬が喜ぶように作られており、香りが強い、脂肪分が多い、うま味成分が豊富という商品も少なくありません

一方、総合栄養食のフードは健康維持を目的としているため、おやつほど嗜好性は高くありません。
そのため、「ご飯を食べなくても、おやつがもらえる」と学習すると、フードを食べなくなる犬は少なくありません。

ジャーキー、チーズ、ささみ、ボーロなどのおやつをご飯代わりに与えている場合は注意が必要です。

1-2.おやつをもらえるまで待っている

犬はとても学習能力が高い動物です。

例えば、「ご飯を食べない→ 飼い主が心配する→おやつを与える→犬は喜ぶ」この流れを何度も経験すると、「ご飯を食べなければもっとおいしい物が出てくる」と覚えてしまいます

これは犬にとって成功体験になります。

結果として、ドッグフードをわざと食べなくなることがあります。

1-3.フードに飽きてしまった

犬は毎日同じものでも平気といわれますが、個体差があります。

特に、フードは香りが弱くなった、開封して時間が経った、保存状態が悪いなどの場合は嗜好性が落ちます。

また、季節、年齢、運動量によって好みが変わる犬もいます。

「昨日までは食べていたのに急に食べない」という場合は、フード自体の鮮度も確認しましょう。

memo

  • 時間が経過したフード(ドライ)は、嗜好性だけでなく酸化して栄養分が落ちたり、酸化した脂質が内蔵に負担をかけるなどの影響があります。

1-4.フードの粒が合っていない

これも意外と多い原因です。

例えば、フードの粒が大きすぎる、硬すぎる、シニアになって噛みにくい場合には食べづらくなります。

一方で、おやつは柔らかかったり、小さくちぎれたりするため問題なく食べられることがあります。

特に小型犬ではフードの粒のサイズが合わないだけで食べなくなることも珍しくありません。

1-5.食事の時間が決まっていない

いつでもご飯が置いてある状態では、「今食べなくてもいいや」と感じやすくなります。

食事時間を決めることで空腹を感じやすくなり、食欲が戻るケースがあります。

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  • 食事の時間を決めるとは、毎日なるべく同じ時間に食事を与え、食べ終わらなくても15〜20分程度で食器を片付けることです。 成犬であれば、一般的には朝と夕方〜夜の1日2回が目安です。

2.年齢別の考えられる原因

2-1.子犬の場合

子犬は好奇心旺盛です。

遊びに夢中になると、ご飯より遊びを優先してしまうことがあります。

また、しつけのご褒美としておやつを多く与えすぎると、それだけでお腹がいっぱいになることもあります。

子犬は体が小さいため、少量のおやつでもカロリー過多になりやすい点にも注意が必要です。

2-2.成犬の場合

成犬では、おやつの与えすぎ、運動不足、ストレス、フードへの飽きが原因になるケースが多く見られます。

特に室内犬は運動不足になると消費エネルギーが減り、自然と食欲も落ちやすくなります。

2-3.シニア犬の場合

高齢になると、嗅覚の低下、味覚の低下、噛む力の低下、消化機能の低下などが起こります。

ドッグフードの香りを感じにくくなるため、食欲が落ちることもあります。

その一方で、おやつのように香りが強いものには反応しやすい傾向があります。

また、歯周病や口内炎など口のトラブルが隠れていることもあるため、急に食べなくなった場合は注意しましょう。

3.病気が隠れているケース

「おやつは食べるから元気」と思われがちですが、病気が原因でドッグフードだけ食べられないこともあります。

特に以下のような病気では、食欲や食べ方に変化が現れることがあります。

3-1.歯周病

歯周病になると硬いドッグフードを噛むたびに痛みを感じます。

そのため、柔らかいおやつや茹でた肉だけを食べる犬も少なくありません。

口臭や歯ぐきの腫れ、よだれが増えている場合は歯周病を疑いましょう。

3-2.口内炎・口腔内のケガ

口の中に炎症や傷があると、ドライフードが当たるだけでも痛みを感じます。

食べたい気持ちはあるため、おやつだけ食べることがあります。

3-3.消化器の不調

胃腸の不調などで食欲が低下している場合も、香りや嗜好性の高いおやつは食べても、ご飯には手を付けないことがあります。特にシニア犬や持病のある犬では、食欲不振が病気のサインであることも少なくありません。急な食欲の変化や普段と異なる様子が見られる場合は、自己判断せず、早めに動物病院を受診しましょう。

4.ご飯を食べてもらうための対処法

犬がおやつは食べるのにご飯を食べない場合は、「食べないから仕方なくおやつを与える」のではなく、原因に合った対処をすることが大切です。ここでは、自宅で実践できる改善方法を紹介します。

4-1.おやつを一度やめてみる

最も効果的なのが、おやつを一時的に控えることです。

おやつを頻繁に与えていると、犬は「ご飯を食べなくてもおやつがもらえる」と学習してしまいます。

そのため、まずは数日から1週間程度、おやつを与えずに様子を見てみましょう。

最初は食べなくても、健康な犬であれば空腹を感じることで徐々にフードを食べるようになるケースが多くあります。

ただし、子犬やシニア犬、持病のある犬が長時間食事を取らない場合は、体に異変がある、緊急事態ということが考えられるため、早急に動物病院を受診しましょう。

4-2.フードを温めて香りを引き立てる

犬は人よりも嗅覚が優れています。

そのため、香りが立つだけで食欲が刺激されることがあります。

おすすめの方法は、

●40℃前後のお湯を少しかける
●電子レンジで5〜10秒ほど温める(熱くしすぎない)
●ぬるま湯でふやかす

といった工夫です。

特にシニア犬は嗅覚が衰えやすいため、香りを引き立てるだけでも食いつきが改善することがあります。

4-3.フードをふやかしてみる

ドライフードが硬くて食べづらい犬には、ぬるま湯でふやかす方法がおすすめです。

ふやかすことで、香りが強くなる、噛みやすくなる、消化しやすくなるというメリットがあります。

子犬やシニア犬だけでなく、歯の痛みがある犬にも向いています。

ただし、長時間放置すると傷みやすいため、食べ残しはすぐに片付けましょう。

4-4.フードを切り替える

今食べているフードが犬に合っていない可能性もあります。

例えば、粒が大きい、香りが弱い、脂質が少ない、食感が苦手などが原因になることがあります。

最近では、小粒タイプ、半生タイプ、高嗜好性タイプ、シニア向け、消化ケア用など、さまざまな種類があります。

急に変更するとお腹を壊すことがあるため、現在のフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、7〜10日ほどかけて切り替えるのがおすすめです。

高嗜好性タイプのフード

  • 犬が好む香りや味、食感にこだわって作られたドッグフードのことです。
    肉や魚の風味を強めたり、脂質やうま味を調整したりすることで食いつきを高めており、食欲が落ちている犬や偏食気味の犬でも食べやすいよう工夫されています。
    ただし、嗜好性が高いからといって栄養価が優れているとは限らないため、年齢や健康状態に合った総合栄養食を選ぶことが大切です。

運動不足になると、お腹が空きにくくなります。

食事の30分〜1時間ほど前に散歩や遊びを取り入れることで、自然と食欲が増す犬も少なくありません。

運動は、ストレス解消、筋力維持、肥満予防にもつながります。

犬の年齢や体力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。

4-6.食事に集中できる環境を作る

犬は意外と周囲の環境に敏感です。

例えば、テレビの音が大きい、子どもが走り回っている、他の犬が近くにいる、人の出入りが多いなどの環境では落ち着いて食事ができないことがあります。

静かな場所でゆっくり食べられる環境を整えることも大切です。

5.やってはいけないNG行動

5-1.食べないたびにおやつを与える

これは最も避けたい行動です。

「食べなければもっとおいしいものが出てくる」と学習してしまい、ドッグフードを食べなくなる悪循環につながります。

一時的には食べて安心するかもしれませんが、長期的には改善が難しくなる原因になります。

5-2.毎日フードを変える

「飽きたのかな」と考え、毎日のように違うフードを与える飼い主もいます。

しかし、人間と異なり犬の場合は腹痛や下痢を引き起こしたり食欲不振を招くので、慣れているフードに少しずつ新しいフードを入れて慣らすことが良いとされています。

フードを変更する場合は、しばらく食べ慣れているフードを継続して与え、様子を見ることが大切です。

5-3.人の食べ物を与える

人の食事は犬にとって味が濃く、脂肪分や塩分も多めです。

一度おいしさを覚えてしまうと、ドッグフードを食べなくなることがあるうえ、犬の健康に害を及ぼす恐れもあります。

また、ネギ類やチョコレート、ブドウなど、犬にとって危険な食材もあるため、人の食べ物を安易に与えるのは避けましょう。

5-4.長時間フードを置きっぱなしにする

「お腹が空いたら食べるだろう」と考えて、一日中フードを置いておくのもおすすめできません。

時間が経つと香りが飛び、風味も落ちてしまいます。

また、夏場は傷みやすく、衛生面でもリスクがあります。

食事時間を決めて、食べ終わらなければ片付ける習慣をつけましょう。

5-5.無理やり口に入れる

無理に食べさせると、食事そのものが嫌な時間になってしまいます。

特に病気が原因の場合は痛みが悪化することもあるため、無理強いは禁物です。

食欲不振が続く場合は、自宅で無理に対応しようとせず、動物病院で原因を調べてもらいましょう。

5-6.トッピングを毎回増やす

「食べてほしい」という気持ちから、チーズ、ジャーキー、茹でたささみ、缶詰などを毎回トッピングすると、それが当たり前になり、トッピングがないと食べなくなる犬もいます。

トッピングを使う場合は少量にとどめ、徐々に減らしていくことが大切です。

6.動物病院を受診すべき症状

おやつは食べるからといって、「元気だから大丈夫」と自己判断するのは危険です。なかには病気が隠れており、早めの治療が必要なケースもあります。

以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

6-1.24時間以上ほとんど食事を食べない

健康な成犬であっても、24時間以上ほとんどフードを取らない状態が続く場合は注意が必要です。

特に、子犬、シニア犬、持病がある犬、小型犬では、低血糖や脱水を起こしやすく、短時間でも体調が急変することがあります。

「おやつだけは食べるから大丈夫」と考えず、普段の食事量と比べて極端に減っている場合は受診を検討しましょう。

6-2.水も飲まない

食事よりも重要なのが水分補給です。

水を飲まない状態が続くと脱水症状を起こし、元気がなくなる、ぐったりするなどの症状が現れることがあります。

食事だけでなく、水分摂取量も毎日確認しておくことが大切です。

6-3.嘔吐や下痢を繰り返す

食欲不振に加えて、嘔吐、下痢、血便などがある場合は、胃腸炎や異物誤飲、感染症などの可能性があります。

一時的な体調不良で済むこともありますが、重症化するケースもあるため、早めの診察を受けましょう。

6-4.急激に体重が減った

以前よりも体が細くなった、肋骨が目立つようになったなど、急激な体重減少が見られる場合は注意が必要です。

食欲不振だけでなく、糖尿病、腎臓病、肝臓病、消化器疾患、がんなどが原因となっていることもあります。

定期的に体重を測っておくと、小さな変化にも気付きやすくなります。

6-5.よだれが増えた・口を気にしている

以下のような様子が見られる場合は、口腔内のトラブルが疑われます。

●よだれが多い
●口臭が強くなった
●口を触られるのを嫌がる
●片側だけで噛んでいる
●食べ物を口から落とす

歯周病や口内炎、歯が折れたり欠けたりすることなどが原因で食事ができないケースもあるため、口の中も確認してもらいましょう。

6-6.元気がない・呼吸がおかしい

食欲不振に加えて下記の症状がある場合は、緊急性が高いこともあります。

●散歩に行きたがらない
横になってばかりいる
呼吸が速い
苦しそうにしている
発熱しているように感じる

普段と違う様子があれば、できるだけ早く動物病院へ相談してください。

7.よくある質問(Q&A)

Q1. おやつだけ食べていれば問題ありませんか?

いいえ、おすすめできません。

おやつはあくまでも補助的な食品であり、総合栄養食のように必要な栄養バランスが考えられているわけではありません。

おやつだけの生活が続くと、栄養不足、肥満、偏食などにつながる可能性があります。

Q2. 何日くらい様子を見ても大丈夫ですか?

元気があり、水も飲めている健康な成犬であれば、半日から1日程度であれば様子を見ることもあります。

しかし、子犬、シニア犬、持病がある犬では長時間の絶食は危険です。

また、食欲不振以外の症状がある場合は、早めに受診しましょう。

Q3. 手作りご飯なら食べます。毎日手作りでもいいですか?

手作り食でも栄養バランスが整っていれば問題ありません。

ただし、必要な栄養素をすべて満たすには専門的な知識が必要です。

自己流で続けると栄養が偏ることもあるため、獣医師や動物栄養の専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。

Q4. トッピングをしても大丈夫ですか?

少量であれば問題ないこともあります。

ただし、毎回嗜好性の高いトッピングをすると、トッピングがないと食べなくなる可能性があります。

最終的にはトッピングなしでも食べられる状態を目指しましょう。

Q5. 急に食べなくなったら様子見でも大丈夫ですか?

急に食べなくなった場合は注意が必要です。

元気があり、おやつだけ食べる場合でも、歯の痛み、胃腸の不調、病気の初期症状が隠れていることがあります。

1日以上続く場合や、少しでも体調に異変が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

Q6. フードを適正量食べたうえでおやつはどれくらいの量を食べてもいいですか?

おやつの量は、1日に必要な総摂取カロリーの10%以内が目安です。 例えば、1日に400kcalが必要な犬であれば、おやつは40kcal程度までに抑えるのが理想とされています。

おやつを与えすぎると、ドッグフードを食べなくなったり、栄養バランスが崩れたりする原因になるため、適量を守るようにしましょう。

8.まとめ

犬がおやつは食べるのにご飯を食べない原因は、「おやつの与えすぎ」や「フードへの飽き」といった生活習慣によるものから、歯周病や消化器疾患などの病気までさまざまです。

まずは、おやつの量や食事の与え方を見直し、食事の時間を決めたり、フードを温めたりするなどの工夫を試してみましょう。

一方で、食欲不振が長引く場合や、水も飲まない、嘔吐や下痢、体重減少、元気消失などの症状を伴う場合は、自己判断せずに動物病院を受診することが大切です。

毎日の食事の様子は、愛犬の健康状態を知るための重要なサインです。「好き嫌いだから」と決めつけず、小さな変化にも気を配り、必要に応じて適切な対応を心がけましょう。