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2026.09.07

犬に扇風機は必要なの?酷暑日を乗り切るための暑さ対策も知っておこう

近年の日本の暑さは人間にも動物にも耐えがたいものとなっています。

気温が急上昇し、さらに湿度も高い。熱中症のリスクは1年のうち5月から9月の約5カ月にも及んで高まるとされています。

さて、皆さんの愛犬の暑さ対策は万全ですか?ただでさえ毛皮をまとう犬にとって、暑さは大敵です。大切な愛犬が元気に過ごせるように、暑さ対策をしっかりと行いましょう。対策の基本として、適切な部屋の温度を保つためにエアコンを使用することを推奨しますが、その他の道具として「扇風機」は使えるのだろうかと考えたことがあるのではないでしょうか?

今回は、犬の暑さ対策に扇風機の使い方、使用時の注意点、本当に扇風機が必要なのかどうかなど、飼い主さんがぜひ知っておきたい、これからの酷暑にも負けない対策をお伝えします。

この記事を書いた人

鮎川 多絵

出身:東京都

性別:女性

趣味:映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ

家族:保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)

ペットカートはお犬様用と思われることも多いですが、実は愛犬の健康問題上、とても大事な役割を果たす道具です。昨今はより便利な機能が増えました。たくさんの人にペットカートの重要性、使い方を知ってもらえたらいいなという気持ちで記事をご紹介します!

1.犬にとって「暑い」とは?

犬にとって「暑い」と感じるのは、どのような状況でしょうか?犬の体の仕組みなども交えて解説します。

1-1. 犬はどうやって体温調節をしているの?

犬はパンティングと呼ばれる、舌を出して「ハァハァ」と浅く速い呼吸をすることで、体から余分な熱を外に出して体温調節をおこなっています。また、人間と異なり汗腺とよばれる場所が限られています。

◇人や動物には2種類の汗腺がある

犬などの動物 人間
1.エクリン腺

【体温調節のため汗を分泌する汗腺】

肉球のみにある 唇や爪の先などごく一部を除く全身の皮膚にある
2.アポクリン腺

【進化の過程で匂いやフェロモンとしての役割を果たしていたとされる】

体全体の皮膚 脇や股、顔のTゾーンにある

 上記の表の『エクリン腺』は、犬には肉球のみにあり、主に体温調節はパンティングによる呼吸で行っているため、人のように水滴が見えるほど汗をかくことがないのです。

しかし、体全体に『アポクリン腺』があるため、じんわりと汗をかきます。

1-2. 地面の熱さに注意!

犬が快適と感じる気温は、一般的に20~25℃、湿度は50%~60%くらいといわれています。人間と異なり、被毛に覆われているので、人間の感覚では少し肌寒いくらいが適温です。

そのほかにも、気温だけでなく、例えば病院やトリミングサロンなど、緊張や興奮をした時に、犬の体温は上がり、暑さを感じることがあります。

暑い時期の屋外では、特にお散歩や外出をした時の地面の温度に要注意です。

気温だけ見ていて「何とか耐えられる暑さでは?」と思っていても、実はコンクリートやアスファルトなどの地面は予想を上回る熱さ” となっているのです。

暑さの階級と気温 夏日:最高気温が25℃以上 真夏日:最高気温が30℃以上 猛暑日:最高気温が35℃以上 酷暑日:最高気温が40℃以上
地面の温度

(アスファルトやコンクリート)

約45~52℃以上 約50~60℃以上 約50~60℃以上 約55~65℃以上

 アスファルトなどは黒色で、吸収した熱を内部にため込みやすい性質があります。特に直射日光が強い昼間は65℃以上になることもあり、猛烈な温度となります。人間でも素足の場合や、犬などの動物の肉球が触れるとやけどの危険は十分にあります。

気温より20~40℃高くなるのが一般的ですので、炎天下での散歩は避け、犬連れの外出も極力避けるのがよいでしょう 。

〈ここにも注意!〉

  • 「短時間の買い物だから」「すぐ戻ってくるから」「外ではないから大丈夫でしょ」そんな安易な気持ちで愛犬を【車内に放置】することは、とても危険なことだとご存知ですか?
    車内は短時間で非常に高温になります。気温が30℃の場合、車内は15分から30分ほどの短時間で50℃まで達します。あなた自身は、その車内にエアコンなしの状態でじっと耐えられますか?間違いなく熱中症となり、命の危険にさらされます。
    車内には犬だけを置いていかない、適切な温度に設定したエアコンを使用するなど対策をし、油断禁物です!

2.犬に扇風機 ―本当に涼しいの?―

愛犬の暑さ対策を考えるとき、扇風機で体を冷やすことも考えたことがあるのではないでしょうか?そもそも、扇風機の風は犬にとって涼しいものなのでしょうか?

結論として、実は涼しいと感じるような効果はあまり期待できません。

扇風機の風が被毛の間を通り抜けることで、空気の層を入れ替えることはできるので、少しの熱を和らげることは考えられますが、それが犬にとっての暑さ対策になるとは言い難いところです。

ただし、使い方次第で扇風機は大いに役立ちます。

犬に使用する扇風機は「暑さ対策の補助的な道具」として使用するのがよいでしょう。

エアコンを使用している室内に置き、クーラーの風を部屋中に行き渡らせるために扇風機を使うことで、まんべんなく冷気が室内を回りとても効率的です。一般的には空気の循環のためにサーキュレーターを使用することが多いですが、代用として扇風機も使えます。

クーラーの冷えた空気を循環させる役割として、扇風機は役立つでしょう。

〈扇風機が嫌いな犬もいる〉

  • 犬には扇風機の存在が、人間のように認識できているわけではありません。よく分からないものから、風が吹いてくれば、「怖い」「不快」と感じるのも理解できますよね。
    また、過去に扇風機の風だけでなく、羽の回る音等で何か嫌な経験をしたなど、扇風機=安全ではないものとして記憶をしている場合には警戒をしていることがあります。
    無理に扇風機を使用しない選択も頭に入れておきましょう。 どうしても扇風機を使用するのであれば、まずは慣れさせることから始めてみてください。犬が過ごしている部屋に扇風機を置き、存在に慣れさせます。おやつなどの好物を扇風機の近くに置いて、近づいて食べる訓練をさせます。扇風機に慣れてリラックスしておやつを食べるようになったら、風量を弱い状態から使用してみてください!

3.扇風機を使用する際の注意点

エアコンの補助的な役割として使える扇風機ですが、その使用方法には注意が必要です。

扇風機の使用時には以下のことに注意しましょう。

●使用するのに特に注意すべき犬の年齢

気温が高いからといって、体を冷やしすぎるのはどの年齢層の犬にも禁物です。

特に注意したいのは「子犬」と「シニア犬」です。

子犬の場合は、体が小さく冷えやすいため、扇風機の風を直接当てることはしないでください。また、シニア犬は自律神経の働きが衰えていることで寒さにも弱く、さらに寝たきりのシニア犬は直接当たる風を避けることができません。体が冷えることで、逆に具合が悪くなってしまうこともありますので、絶対に直に風を当てることはしないでください。

●室内の冷やしすぎに注意!

エアコンの設定温度は適切に、そして扇風機を使用するにしても冷やし過ぎに気付いたら風量を調節したり、使用を中止したりすることも念頭に、常に室内の状況を管理できるようにしましょう。

●扇風機が倒れる、回転する羽などの事故に注意!

何かしらの理由で扇風機が倒れる事故、回る扇風機の羽に接触する事故というのは、あり得ると頭に入れておきましょう。予防方法として、扇風機は家具や壁に専用のクリップ等で固定する、床にテープを貼って固定する、そして扇風機に指挟み防止カバーをかける、柵で囲むなど、色々な事故を想定して予防しておきましょう。

●コードによる感電に注意!

いたずらっ子の犬によくあるコード/コンセントを噛む遊びは大変危険です。感電をする恐れがありますので、いたずら防止のカバーをつける、噛まないようにしつけをきちんとするなど、予防をするように努めてください。

●使用中は飼い主さんが見守り、近くにいること

犬の目線にある、体が触れる位置にある、手が届く場所にある家電類を使用している時は、思わぬ事故も無きにしも非ずです。扇風機を使用するときは、すぐに対処できるように飼い主さんが在宅している、近くにいて見守ることができる状況にしましょう。

4.室内の暑さ対策と屋外の暑さ対策

ここでは、室内と屋外それぞれの暑さ対策とおすすめのグッズを紹介します。

ぜひ参考にして実践したり、使用してみてくださいね。

【室内の暑さ対策】

室内での暑さ対策のポイントは以下の通り。

  • 室内の温度が20~25℃、湿度50~60%になるようにクーラーで調節
  • 扇風機をクーラーの風を循環させる役割で使用
  • 直射日光が当たらないように遮光・遮断カーテン、涼感素材のマットやクッションを使用する
  • 犬がいつでも水分補給できるように、新鮮な水を室内に複数置いておく(新鮮な水を入れた給水機でもOK)
  • ドライフードだけでなく、ウェットフードも与える(水分補給)
  • トリミングをしてもらっている犬は、被毛を短く切るサマーカットにする

※サマーカットにはメリットもある一方、デメリットもあります。日光や紫外線にさらされやすい、ノミ・ダニに指されやすい、毛質が変わることもあります。無理にサマーカットにはせず、獣医さんやプロのトリマーさんに相談してから検討してみることをおすすめします。 

〈どんな扇風機がいいの?〉

【屋外の暑さ対策】

暑い屋外は注意することが多いです。暑さ対策は以下の通り。

  • 暑い夏の日中散歩は避けて、早朝・日が暮れた時間に行う
  • 状況によってどうしても日中に外に出ないといけない場合には、犬用シューズを活用する
  • ペットカートなどに冷感マットアイスマットEGプラスなども適切に使用する
    外気温40℃のときに、カートに敷いたマット内部のアイスバッテリーの表面温度を25℃以下に4時間キープしてくれる優れモノ!)
  • 犬用ペットカートに専用の扇風機をつけて風を送る。
    (コンビ株式会社の「
    ファンマット」は12個の空気の噴出口を均等に配置したマットが、カート内の底から風が吹き出す構造となっており、キャリー全体を快適空間にすることができます。)※使用時は長時間の使用を避け適切に使用しましょう
  • 適度な水分補給をする(あげすぎは下痢などを引き起こします)※ミネラルウォーターはNG
  • 基本的に外飼いはしない/夏場の日中は涼しい部屋に入れる

5.小さな持ち歩き扇風機「ハンディファン」は犬に効果あるの?

昨今、持ち歩き用の小型扇風機「ハンディファン」を使っている人をよくみかけます。

そのハンディファンは、人が使って涼しいなら犬にも涼しいのでは?と思いますよね。

実は、ハンディファンの使用には少し注意が必要です。

ハンディファンは「涼しくしてくれる道具」ではない

ハンディファンは、実はエアコンのように空気自体を冷やす機能はなく、あくまで「風を送る」役割があります。そのため、効果は周りの空気によって左右されます。

先にご紹介した、クーラーの効いた部屋で使用する扇風機であれば、涼しい空気を循環させて熱を逃がす助けになりますが、屋外の猛烈な暑さの中、周りの温風を浴びせることは犬の体に負担がかかって逆効果になってしまいます。体温を上昇させてしまう危険があるので、やめましょう。

ペットカートにつけるハンディファンにも要注意!

暑い夏、アスファルトの下から照り返す熱、さらにカートにこもった熱を、ペットカートに装着させたハンディファンでかき回し、湿った空気でパンティングがしにくくなる恐れがあります。

特にメッシュ素材の側面、日よけカバー付きのペットカートは、「メッシュ素材だから涼しいのでは?」と思われがちですが、実は風通しが良いのではなく、半密閉された空間を作り出し、外気の流れが悪くなっているのです。カバーもしているし、直接地面にいるわけではないし、ファンを回しているし…… と油断しがちですが、かえって熱中症になりやすくしていることがあるのです。

 大事なのは、「気温と湿度」です。飼い主さんが十分に気を付ける必要があります。

〈ハンディファンの使い方についてもう一言!〉

  • 便利なハンディファンも使い方によっては危険なことも!人間も髪の毛を巻き込んでしまう事故があるため、犬のために使ったら毛を巻き込んでしまったなんて災難もあるかもしれません。使用時は目を話さず、特に長毛犬は巻き込まないように要注意です!

6.まとめ

扇風機は、夏の風物詩とも言えるほど、暑い日に風で涼みながら冷たい物を食べるといった風景が思い浮かぶものでしょう。しかし、便利ですぐに涼しくなれると思って使う道具も、実のところ使い方次第ではそうではなかったりするのですね。多くの人が持っているハンディファンも暑い環境で使用すれば、人や犬には逆効果のこともあります。一方で、空気を循環させるなどのメリットがあり、扇風機やハンディファンは使い方次第であってよかったと思える道具でもあります。

安全で適切な使用方法を守り、暑い毎日を乗り切りましょう!