犬用カートとは?メリット・選び方・人気ブランドを解説
「うちの子、最近散歩を嫌がるようになってきたかも……」
「暑い日に長時間歩かせるのは、正直ちょっと心配」
「人が多い場所や電車移動で、抱っこし続けるのは大変」
そんなふうに感じたこと、ありませんか。
犬と暮らしていると、年齢や体調、天候、その日の予定によって、思うようにお出かけできない場面が出てきますよね。
そんな時に頼りになるのが犬用カートです。
この記事では、犬用カートを使うメリットとタイプ別の特徴、失敗しない選び方から注意点まで、購入前に知っておきたい情報をまとめて解説します。
犬用カートの主要ブランドも比較しているので、読み終わる頃には「うちの子にはこのタイプが合いそう!」と、具体的にイメージできるようになっているはずですよ!
目次
この記事を書いた人

本間ユミノ
新潟県出身。2児の母。食べることと寝ること、読書が好き。動かないことも動くことも好き。モットーは「夜を乗りこなす」
第49期 宣伝会議 編集・ライター講座修了。
カートからちょびんと顔を出し、「どこ行くの?」と外を眺めている表情を見るのが好き。ペットカートは行動の選択の幅だけでなく、飼い主とペットの幸せも広がる素敵なアイテムだなぁといつも思っている。
1.犬用カート(ペットカート)とは?

犬用カートとは、車輪付きのフレームに犬を乗せるための座席部分(=キャリー)を組み合わせた、犬を乗せて、押して移動するための道具です。
見た目はベビーカーによく似ていて、リードで歩かせたり抱っこしたりすることなく、飼い主さんがハンドルを押すだけで愛犬を運べます。
「犬用カート」という呼び方の他に「ペットカート」とも呼ばれますが、どちらも指しているものは同じです。
1-1.犬用カートの基本的な役割
犬用カートは、一言で言うと「犬を乗せて押すベビーカー」のようなものです。
抱っこのように腕への負担が続くこともなく、リードで歩かせるように犬自身も体力を消耗しません。
キャリーから犬が飛び出さないよう飛び出し防止リードが付いていたり、暑さがこもらないようメッシュ素材が使われていたりと、安全面・快適面への配慮がされているものがほとんどです。
1-2.犬用カートが活躍する場面は?
犬用カートが選ばれる理由は、実は一つではありません。
シニアになって歩く距離が短くなった犬はもちろん、暑い季節の散歩、雨上がりの水たまりが気になる道、人が多く集まる場所など、「今日はちょっと歩かせるのが不安だな」と思う場面で頼りになります。
多頭飼いのご家庭なら、複数のリードを同時に持つ大変さから解放されるのもうれしいポイントです。
電車やカフェなど、犬を歩かせるのが難しい場所に一緒に入る手段としても重宝されています。
コメント
- ペット保険のアニコムが行った調査によると、2008年に13.2歳だった犬の平均寿命が15年後の2023年には14.1歳となっています。
飼い主さん側の高齢化も進んでいますが、犬の寿命が延びたことに伴い、ペットの高齢化も進んでいるといえるかもしれません。
飼い主さんと犬、お互いの体への負担を抑えながら外出できる犬用カートの出番はこれからも増えていきそうですね。
2.犬用カートを使うメリット
犬用カートには使うことによるメリットがたくさん!
子犬もシニア犬も、元気な子も持病がある子も、1匹でもたくさんでも、日常のさまざまなシーンで活躍しますよ。
2-1.シニア犬・持病がある犬の負担が軽減できる
年齢を重ねて足腰が弱ってきた犬や、持病を抱えている犬にとって、歩く距離そのものを減らせるのは大きなメリットです。
気分転換に外の空気を吸わせてあげたいからと、犬を抱っこで運ぶと飼い主さんの腕や腰にも負担がかかってしまいますよね。
犬用カートなら、行きたい場所まで座ったまま移動できるので、犬にも飼い主さんにも優しい移動手段になります。
2-2.熱中症ややけどの対策になる
夏の太陽からの日差しが直接当たる地面は、熱を吸収して温度が上昇します。
熱を吸収しやすい黒いアスファルトは、表面温度が60℃を超えることも。
犬は人よりも地面に近い姿勢で歩くため、照り返しの影響をより受けやすく、肉球のやけどだけでなく熱中症につながる恐れもあります。
犬用カートに乗せてあげれば、肉球が地面に触れない上に、ずっと日陰の中で移動できますね。
2-3.多頭飼いや人混みでの安全を確保できる
複数の犬を同時に散歩させていると、リードが絡まったり、それぞれが別の方向に引っ張ったりして、思うように歩けないことがあります。
犬用カートを使用すれば、まとめて1台に乗せられるので、リードの取り回しに気を取られません。
人が多い場所でも、足元をすり抜けようとする犬を気にせず、安心して移動できるのも助かるポイントです。
コメント
- 筆者の近所に住んでいる、4匹のフレンチ・ブルドッグの飼い主さん。 いつもリードが絡まりながら、小走りで散歩している姿をよく見かけます……。
2-4.公共の場でも使いやすい
ショッピング好きの飼い主さんの中には、「犬は連れて行けないから」と入店を諦めた経験がある方もいるのでは?
公共交通機関を利用する際、犬と一緒に移動するにはどうしたらいいのか疑問に思っている方も多いでしょう。
鉄道会社や商業施設では、犬用キャリーバッグや犬用カートに入れることを条件に、犬の同乗や同伴を認めているケースがあります。
ただし条件は事業者によって異なるため、利用予定の交通機関や施設のルールは、事前に公式サイトなどで確認しておきましょう。
メモ
- JR東日本とJR西日本では「ペットカートは、カートを含めた寸法が持ち込み制限を超えるため利用できないが、カートとケースを分離し、ケース部分が規定の範囲内であれば持ち込める」と案内しています。※1
※1 持ち込み可能な手荷物の案内については、JR東日本の公式ホームページ(https://www.jreast.co.jp/kippu/20.html)、JR西日本の公式ホームページ(https://www.jr-odekake.net/ticket/guide/ebook/pages/#page=61)をご確認ください。
3.犬用カートのタイプ別の特徴

犬用カートには、大きく分けて「一体型」と「分離型」の2タイプがあります。
この章ではそれぞれの特徴を解説します。
3-1.一体型
一体型は、フレームとキャリーが一体になっているタイプです。
組み立てた状態のまま押すだけで使えるシンプルな構造で、パーツを取り外す手間がありません。
初めて犬用カートを使う方でも扱いやすい一方で、キャリー部分を外して別の用途には使えません。
3-2.分離型
分離型は、キャリー部分をフレームから取り外せるタイプです。
近年はこちらが主流になりつつあり、キャリーだけを持ち上げて犬用キャリーバッグのように使ったり、車の座席に固定したりできます。
シーンに応じて形を変えたい方にはおすすめですが、多機能な分、構造が複雑になりやすく、犬用カート自体の重量が重くなる傾向にあります。
4.犬用カートの選び方
いざ購入を決意したものの、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いですよね。
デザインや価格の印象だけで選んでしまうと、実際に使ってみてから「キャリーが窮屈そうだった」「思ったより重くて押しにくい」といった後悔につながることも少なくありません。
購入前には、少なくとも次の4ポイントを必ず確認しておきましょう。
4-1.体格に合ったサイズ、耐荷重、頭数をチェック

まず確認したいのが、愛犬の体格に対してキャリーのサイズと耐荷重が合っているかどうか。
キャリーは脚を伸ばして伏せができる広さがあり、体高の3分の2の高さがあることが目安といわれています。
耐荷重については、愛犬の体重の2倍あれば安心感があります。
ギリギリの耐荷重で使い続けると、フレームやタイヤへの負担が大きくなり、故障につながる可能性もあるため注意しましょう。
多頭飼いの飼い主さんは、全ての犬を乗せた状態の合計体重をベースに耐荷重を確認しておくと安心ですね。
また、耐荷重の他に「何匹まで」という推奨頭数が記載されている場合もあります。
メモ
- 犬用カートは、小型犬用や中型犬用などとサイズ展開されています。
小型犬用はコンパクトで持ち運びやすく、中型犬用はキャリーにゆとりがあるタイプ、大型犬用は乗せ降ろししやすいようにスロープがついているものも! とはいえ、サイズ別の分類にとらわれず、ご自身の愛犬の体格や製品の耐荷重をしっかりと確認するようにしましょう。
4-2.操作性をチェック

毎日のように使うものだからこそ、押しやすさなどの操作性も大切なポイントです。
タイヤが小さいと、段差や砂利道で引っかかりやすくなるため、舗装されていない道を歩く機会が多い方は、タイヤが大きめのモデルを選ぶと安心です。
サスペンション付きの製品を選ぶと、走行中の振動を和らげてくれるので、愛犬への負担も軽減されます。
〈サスペンション とは〉
- 走行中に地面の凹凸などから受ける衝撃を吸収して、車体の安定性を保つ機能。
4-3.折り畳み機能をチェック

収納する際や車に積んでお出かけする際には折り畳み機能が大活躍!
最近の犬用カートは折り畳めるものがほとんどですが、折り畳み方法は製品によってさまざま。
「キャリー部分を取り外してバスに乗ろうとしたけど、カートの折り畳みにてこずってしまった!」とならないよう、ワンタッチで折り畳めるものがおすすめです。
保管場所のスペースに合わせて、折り畳み後のサイズも要確認項目です。
コンパクトに折り畳めるものであれば、限られたスペースを圧迫することなく収納できますよ。
4-4.安全機能をチェック

犬用カート利用者の3分の1の方が、使用中にヒヤリとした体験があると回答しているデータもあります。
特に、飛び出し防止リードは、走行中の急な飛び出しを防ぐために必須ともいえる装備です。
キャリーの内側に付いているリングに、飛び出し防止リードを取り付けてハーネスとつないでおくだけで、愛犬がキャリーから飛び出してしまうのを防ぎます。
また、タイヤストッパーやキャスターロック機能が付いていると、坂道や信号待ちで安全に静止しやすくなります。
5.主な犬用カートブランド比較
それでは、実際にどんな犬用カートがあるのか代表的なブランドを見ていきましょう。
同じ「犬用カート」でも、ブランドごとに得意な部分が違うので、比較しながら読んでみてくださいね。
5-1.compet(コムペット)
コムペットは、ベビーカーやチャイルドシートで知られる日本のベビー用品メーカー「コンビ株式会社(Combi)」が手がける犬用カートブランドです。
ベビー用品の安全基準を活かして犬用カートを開発しているのが最大の特徴です。
代表製品である「milimili(ミリミリ)シリーズ」の「milimili Carry(ミリミリキャリー)」は、重量5.5kgの軽量モデル。
キャリーを外してコンパクトに折り畳めば、車や公共交通機関でも利用しやすく、オプション品の「サイクルリンク」を使用すれば、キャリー部分を自転車の荷台に設置することもできます!
「FikaGO(フィカゴー)シリーズ」では、ハンドルのスイッチを押すだけで折り畳める1秒オートクローズの設計になっており、開く際も片手でパッと引き上げるだけの簡単仕様です。
5-2.AIRBUGGY(エアバギー)
「どんな家族であっても、いっしょにいたいものが人間じゃなくても、すべての理想的な家族たちに フィットするように」という理念の基、製品を作っているエアバギー。
アルミフレームを溶接して外からの力にも変形しにくい3輪構造になっており、キャリー部分を付け替えると、ベビーカー、犬用カート、ショッピングカートと長く使い続けることができる特徴があります。
「DOME (ドーム) シリーズ」は、ルーフ部分が180度開閉するオープンエアルーフを採用。
大型犬や多頭飼育に対応したワゴンタイプの「CUBE (キューブ) シリーズ」も展開されています。
5-3.Richell(リッチェル)
リッチェルは、育児用品から医療機器分野までさまざまな生活シーンにかかわる商品を開発・製造している国内メーカーです。
家庭用品メーカーならではの、飼い主さんの「困りごと」を解決しつつペットの快適性も両立させた実用的な機能が光ります。
収納力のある中型犬対応犬用カート「プレンタ」は、足元の荷物入れに仕切りがあり、リードや飲み水、マナー袋などを整理して収納できます。
1頭飼いに特化している「ミニモ」は非常にコンパクト!
サイズが小さいながらも犬用カートとしてだけでなく、犬用キャリーバッグ、ドライブ用のケージとしても活用できます。
5-4.Piccolo Cane(ピッコロカーネ)
日本で初めてベビーカーをベースにした犬用カートを作ったピッコロカーネ。
耐荷重が高めの製品が多く、多頭飼いをしている飼い主さんや中型犬・大型犬の飼い主さんにも人気のブランドです。
「Doppio(ドッピオ)」はキャリーを2つ並べて乗せることができる珍しいモデルです。
2匹連れてお出かけしたいシーンでも、それぞれのキャリーを確保できるので窮屈さを防げます。
もちろん、状況に応じてシングルキャリー(1頭乗せ)への切り替えも可能!
大型犬や多頭飼いに特化した「CREA(クレア)」も代表製品。
スロープ付きで犬が自ら乗り降りできるので、飼い主さんにとっても優しい設計になっています。
6.犬用カートはどこで買える?

犬用カートは、ブランド公式のオンラインストア、ペットショップやホームセンター、Amazonや楽天市場などで購入することができます。
ブランド公式のオンラインストアでは最新モデルやカラー展開がそろっている上に、保証やアフターサポートを受けやすいのが特徴です。
一方、ペットショップやホームセンターでは実際にサイズ感や押し心地を確かめてから購入できます。
愛犬を連れて試せる店舗もあるため、初めての1台で失敗したくない方に向いています。
Amazonや楽天市場では、複数ブランドや複数モデルを一度に比較しやすく、セールやポイント還元を活用できる場合もあります。
ただし、販売元によって保証内容が異なる場合があるため、購入前に販売元と保証条件を確認しておきましょう。
7.犬用カート使用時の注意点

犬用カートは便利な道具ですが、使い方次第では愛犬に負担をかけてしまうこともあります。
使用する際に注意しておきたいポイントをまとめましたので、お出かけ前に一度確認してみてください。
【犬用カート使用時の注意点】
| ① | 耐荷重や頭数制限を必ず守る | ・特に多頭飼いの飼い主さんの場合は、乗せる犬全体の体重に荷物の重さも加味して、耐荷重に収まっているかを確認
・成長期の犬は体重が変わっていくため、定期的に体重を測り直すことが大切 |
| ② | 飛び出し防止に常に気を配る | ・何も付けずに犬用カートに乗せるのは厳禁
・飛び出し防止リードは、犬用カートに乗せている間は必ず装着した状態にする ※愛犬が動きやすいように飛び出し防止リードを長くし過ぎると、絡まってしまったり、万が一キャリーから飛び出してしまったりした際に「飛び出し防止」の意味がありません |
| ③ | 体調不良のサインを見逃さない | ・特に気温が高い時期は犬用カート内も熱がこもりやすくなる
・普段より呼吸が速く荒くなる、よだれが多くなる、ぐったりして動きたがらないといった様子は熱中症の可能性 ・すぐに涼しい場所へ移動し、水分を与えて様子を見る ・症状が改善しない場合や、ぐったりした状態が続く場合は、早めに動物病院を受診 |
| ④ | マナーを守る | ・犬用カートに乗せていれば、どこへでも自由に持ち込めるわけではない
・犬が苦手な方やアレルギーを持っている方への配慮は忘れてはいけない ・商業施設や公共交通機関などでは、事業者ごとに細かいルールを定めているため、必ず事前に犬の同伴条件や犬用カート利用についてのルールを確認する |
8.まとめ
犬用カートは、シニア犬や持病がある犬の負担を減らすだけでなく、夏のアスファルトの熱ややけど対策、多頭飼いや人混みでの安全確保、電車やお店など公共の場への同行まで、幅広いシーンで頼りになるアイテムです。
選ぶ際は、
・体格に合ったサイズや耐荷重、頭数
・操作性
・折り畳み機能
・安全機能
の4点を確認しながら、一体型か分離型か、使うシーンに合ったタイプを選択しましょう。
犬用カート購入後は、愛犬の安全を確保しつつマナーを守ることが、犬用カートと長く付き合っていくコツです。
「うちの子にはどのタイプが合うかな?」とイメージしながら、まずは愛犬の体格や普段のお出かけシーンを振り返るところから始めてみましょう。
ぴったりの1台が見つかれば、これまで少し諦めていた場所にも、愛犬と一緒に出かけられるようになりますよ。