お出かけ

2026.11.05

犬が散歩で歩かないのはなぜ?どう対処すればいい?

「犬を散歩に連れて行ったのに、途中で立ち止まって歩かなくなった」「リードを引いても座り込んだまま動かない」「最近、散歩に行きたがらなくなった」

犬と暮らしていると、このような「散歩拒否」に悩むことがあるのではないでしょうか。

この記事では、犬が散歩で歩かない主な理由を紹介するとともに、原因に合わせた対処法や、散歩拒否が見られたときに注意したいポイントについて詳しく解説します。

■この記事を書いた人

イノリ

愛媛県出身。趣味は音楽と美味しいご飯を食べること。デザイナーとしても活動中。

ペットカートがあったら自分流にカスタマイズするのが楽しそうだなと思う。

1.犬が散歩で歩かないのはなぜ?

犬が散歩で歩かない理由は、一つとは限りません。同じ「歩かない」という行動でも、犬によって背景はさまざまです。

ここでは、散歩中に立ち止まったり、散歩そのものを嫌がったりする代表的な理由について見ていきましょう。

1-1.散歩中に怖いものがある

犬が歩かなくなる理由としてよく考えられるのが、「怖いものがある」というケースです。

人間にとっては何でもないものでも、犬にとっては大きな恐怖の対象になることがあります。

例えば、大きなトラックが通ったときの音や、バイクのエンジン音、工事現場から聞こえてくる大きな音などです。自転車が突然近くを通ったことがきっかけで、道路を怖がるようになる犬もいます。

また、他の犬や知らない人を苦手とする犬の場合、それらを見つけたところで突然立ち止まることもあります。

犬が怖がっているときには、単に「歩きたくない」という状態とは異なる様子が見られることがあります。体を低くしたり、耳を後ろに倒したり、しっぽを下げたりしながら、その場から動こうとしなくなるケースこともあります。

このような場合、無理にリードを引っ張って進ませるのは逆効果になる可能性があるため、あります。怖いものから少し距離を取り、犬が落ち着ける状態を作ってあげましょう。散歩のたびに強い恐怖を感じる経験が続くと、「外に出ると怖いことが起こる」と学習してしまい、散歩そのものを嫌がるようになる可能性がありますあるためです。

また、犬自身が納得できるまで待ってあげることも成功体験の一つです。車の音を怖がる場合は、車通りの少ない道路から歩き始めて車が通るたびに立ち止まって犬が再び歩き出すまで見守る、またはおやつやおもちゃで興味をそらして「この音は自分に危害があるわけではないんだ」と犬自身に理解させることも大切です。

1-2.天候が原因

犬が歩かないときには、その日の気温や天候にも目を向けてみましょう。

特に注意したいのが夏の散歩です。

犬は人間よりも低い地面に近い位置を歩いているため、地面から受ける熱の影響を受けやすくなります。日差しの強い時間帯にはアスファルトが非常に熱くなることがあり、肉球への負担になるだけでなく、体温の上昇にも注意が必要です。

暑い日に散歩をしていて、犬が途中から歩く速度を落としたり、何度も立ち止まったりする場合は、「疲れたのかな」と考えるだけでなく、暑さが原因ではないか確認しましょう。

一方、寒い時期になると散歩を嫌がる犬もいます。特に子犬やシニア犬、小型犬などは、寒さによる影響を受けやすい場合があります。

季節が変わってから散歩で歩かなくなったのであれば、散歩する時間帯を見直すことで改善することもあります。

夏なら比較的涼しい早朝や夕方以降を選び、冬なら日中の暖かい時間帯を選ぶなど、犬が過ごしやすい時間に散歩することを考えてみましょう。

また、雨の日に散歩で歩かなくなる犬もいます。

雨の日は普段と環境が大きく変わります。雨音が聞こえたり、道路が濡れていたり、水たまりができていたりします。レインコートを着せられることを嫌がる犬もいるでしょう。

こうした普段とは違う環境が苦手で、歩きたがらなくなることがあります。

雨の日は、犬が濡れることや滑りやすい場所にも注意しながら、無理のない範囲で散歩しましょう。

1-3.足や肉球が痛い

散歩中に突然歩かなくなった場合は、足や肉球に異常がないか確認することも大切です。

犬の肉球は丈夫に見えますが、散歩中に小石などが挟まったり、尖ったものを踏んだりすることで傷つくことがあります。暑い時期には、熱くなったアスファルトによって肉球を傷める可能性もあります。

爪が割れていたり、伸びすぎていたりすることが原因で歩きづらくなっているケースもあります。

さらに、足をひねった、関節に痛みがあるなど、外から見ただけでは分かりにくい問題が隠れている可能性も考えられますあります。

犬が片足を浮かせている、歩き方がおかしい、足を引きずっているなどの様子があれば、単なる散歩拒否とは考えないほうがよいでしょう。

痛みがありそうなときに無理に歩かせると、症状を悪化させてしまう可能性があります。足を触ると強く嫌がる場合などは無理に確認せず、動物病院に相談しましょう。

1-4.病気や体調不良が隠れている

犬が散歩で歩かない原因として、病気や体調不良も忘れてはいけません。

特に注意したいのは、これまで普通に散歩していた犬が急に歩かなくなった場合です。

散歩中だけでなく、家の中でも元気がない、食欲が落ちている、寝ている時間が増えたなどの変化がある場合は、体調不良が隠れている可能性があります。

また、歩き方がおかしい、呼吸が苦しそう、震えているといった様子が見られる場合も注意が必要です。

「散歩に行きたくないだけだろう」と自己判断して様子を見続けるのではなく、普段と違う変化がある場合は動物病院に相談しましょう。

1-5.疲れて歩きたくない

犬が散歩中に歩かなくなるのは、単純に疲れているからかもしれません。

「犬は散歩が好きだから、長く歩くほど喜ぶ」と考えてしまうことがありますが、犬にも体力の限界があります。

特に子犬やシニア犬、普段あまり運動していない犬の場合、飼い主さんが思っている以上に疲れてしまうことがあります。

また、同じ犬種でも年齢や体格、健康状態によって適切な運動量は異なります。

散歩の後半になると歩かなくなるのであれば、散歩の距離や時間が愛犬にとって長すぎないか見直してみましょう。

散歩は「何分歩かせるか」「何キロ歩くか」という数字だけで決めるものではありません。犬の様子を見ながら、その日の体調や天候に合わせて調整することが大切です。

1-6.ニオイや周囲のものが気になっている

犬が立ち止まっているからといって、必ずしも「散歩を拒否している」とは限りません。

犬は嗅覚を使って周囲の情報を集めながら歩いています。

道端の草や電柱などを熱心に嗅いでいるのも、犬にとっては散歩の楽しみの一つです。

「早く歩いて」とリードを引っ張り続けるのではなく、安全な場所であれば、ある程度自由にニオイを嗅ぐ時間を作ってあげてもよいでしょう。

犬にとって散歩は、運動だけを目的としたものではありません。さまざまなニオイを嗅ぎ、周囲を探索することも、外に出る大きな意味の一つです。

また、散歩の終盤になって家の近くまで来ると突然立ち止まる場合、「もっと散歩したい」「まだ帰りたくない」という気持ちから歩かなくなっていることも考えられます。

2.犬が散歩で歩かないときの対処法

犬が散歩で歩かなくなったら、まずは無理に歩かせるのではなく、原因を探ることから始めましょう。

同じ「歩かない」という行動でも、恐怖が原因なのか、疲労が原因なのか、体の痛みが原因なのかによって対処法は変わります。

2-1.まずは「いつから」「どこで」歩かないのか確認する

散歩拒否への対処で役立つのが、犬が歩かなくなる状況を観察することです。

家を出てすぐに歩かなくなるのか、それとも散歩の途中で歩かなくなるのかによっても考え方は変わります。

また、特定の場所だけで立ち止まる場合は、その場所に苦手なものがある可能性があります。

毎回同じ道路で立ち止まる様子がみられたら立ち止まるのであれば、車の音や他の犬、工事音など、犬が苦手とする刺激がないか確認してみましょう。

反対に、散歩の後半になると毎回歩かなくなるのであれば、疲労が原因かもしれません。

このように、「歩かない」という行動を一つの問題として考えるのではなく、その前後の状況を観察することが原因の発見につながります。

2-2.無理にリードを引っ張らない

犬が歩かないときに、飼い主さんが最初にやってしまいがちなのが、リードを引っ張って歩かせることです。

しかし、犬が恐怖や痛みを感じている場合、無理に引っ張っても問題は解決しません。

むしろ、「怖い場所に無理やり連れて行かれた」「歩くと嫌なことが起こる」という思い込み経験につながる可能性があります。

犬が立ち止まったら、一度リードを緩めて犬の様子を確認しましょう。

恐怖を感じているようなら、まずは苦手なものから距離を取ります。疲れているようなら、休ませることを優先します。

「歩かせること」よりも、「犬がなぜ止まったのかを理解すること」が先です。

2-3.散歩コースを変えてみる

散歩中に歩かない犬には、散歩コースを変えることも一つの方法です。

特定の道路だけを嫌がるのであれば、その道を避けて、犬が安心して歩ける場所を選んでみましょう。

交通量の多い道路が苦手な犬なら、静かな住宅街や落ち着いた公園などを選ぶことで、歩きやすくなる場合があります。

また、同じコースを毎日歩くことにこだわる必要もありません。

犬が楽しそうに歩ける場所をいくつか見つけておくと、その日の気温や体調に合わせて散歩コースを選びやすくなります。

2-4.散歩する時間帯を見直す

暑さや寒さが原因の場合は、散歩する時間帯を変えてみましょう。

特に夏は、日中の暑い時間帯を避けることが重要です。

朝や夕方でも暑い日には、気温だけでなく地面の熱さにも注意しましょう。

散歩中に犬がいつもより息を切らしている、何度も休みたがるなどの様子があれば、無理に続けないことが大切です。

犬の健康状態やその日の天候によっては、散歩時間を短くするという選択も必要です。

2-5.犬が歩ける距離から少しずつ慣らす

外が怖くて歩けない犬の場合、いきなり長距離を歩かせる必要はありません。

まずは家の周辺を少し歩くだけでも十分です。

最初は数分しか歩けなくても、犬が落ち着いて過ごせているのであれば、その経験を積み重ねていきましょう。

「今日はここまで歩けた」という成功体験が増えることで、少しずつ外の環境に慣れていくことが期待できます。

特に子犬の場合は、距離を伸ばすことよりも「外に出ても怖いことばかりではない」と感じてもらうことが重要です。

2-6.歩けたときは優しく褒める

散歩が苦手な犬の場合は、犬が自分から歩けたときに優しく褒めることも有効です。

たとえば、怖がっていた場所を少し通過できたときや、自分から一歩進めたときに声をかけてあげます。

犬が好きなおやつを使う方法もありますが、犬が強い恐怖を感じているときは、無理に食べさせようとする必要はありません。

「歩けたら褒めてもらえる」「飼い主さんと一緒なら安心できる」という経験を少しずつ積み重ねていきましょう。

2-7.ペットカートを使うのも一つの方法

犬が散歩で歩かないときには、ペットカートを活用する方法もあります。

特に、シニア犬や足腰に不安がある犬、長時間歩くと疲れてしまう犬の場合は、散歩の途中でペットカートに乗せることで、無理なく外の刺激を楽しませてあげられます。

例えば、家から公園まではカートで移動し、犬が元気に歩けそうな場所に着いたら少し歩いてもらう、といった使い方ができます。散歩の全てすべてを歩かせる必要はなく、犬の体調や体力に合わせて「歩く時間」と「休む時間」を作ってあげるのもよいでしょう。

また、暑い時期の散歩では、犬の体調を見ながら移動の一部にカートを利用することで、歩く距離を短くすることもできます。ただし、ペットカートに乗せているから安心というわけではありません。暑い日はカート内の温度が上がりやすいため、直射日光を避け、犬の様子をこまめに確認することが大切です。

ペットカートは「歩かせる代わり」ではなく、愛犬の体力や健康状態に合わせて散歩をサポートする道具と考えるとよいでしょう。

3.やってはいけないこと

散歩で歩かない犬に対して、飼い主さんが焦ってしまうのは自然なことです。

しかし、対応を間違えると、散歩への苦手意識を強めてしまう可能性があります。特に避けたいのが、犬を強く引っ張って無理やり歩かせることです。

犬が怖がっている場合は、強く引っ張られることでさらに不安を感じる可能性があります。

また、大声で叱ることも避けたいところです。「どうして歩かないの?」「早く歩いて!」と叱られても、犬には人間のように「歩かなければいけない理由」を理解できるわけではありません。

痛みや恐怖が原因なら、叱ることで解決することはできません。

散歩拒否が続くときほど、飼い主さんが落ち着いて犬の様子を見ることが大切です。

4.年齢別で注意すること

4-1.子犬の場合

子犬が散歩で歩かない場合は、まず「散歩に慣れていないのではないか」と考えてみましょう。

子犬にとって外の世界は、刺激でいっぱいです。

車が走り、人が歩き、犬がいて、風が吹き、さまざまな音やニオイがします。

大人の犬にとって当たり前の環境でも、子犬にとっては初めて見るものばかりです。

そのため、外に出た瞬間に固まってしまったり、数歩歩いただけで座り込んだりすることがあります。

この場合は、無理に距離を伸ばす必要はありません。

犬が落ち着いていられる場所や距離から少しずつ経験させてあげましょう。

また、散歩中に犬が怖がっている様子があれば、刺激から離れて安心できる環境を作ります。

散歩は「たくさん歩かせること」だけが目的ではありません。外の環境に慣れ、飼い主さんと一緒に安全に過ごす経験を積むことも重要です。

4-2.シニア犬の場合

シニア犬の場合は、若い頃と同じように歩けなくなっている可能性があります。

年齢を重ねると、筋肉や体力が変化し、長距離の散歩が負担になることがあります。

また、関節などに痛みや違和感があることで、歩くことを嫌がっている可能性も考えられますあります。

「昔は1時間歩いていたから、今も同じだけ歩かせよう」と考えるのではなく、現在の犬の状態に合わせて散歩量を調整しましょう。

以前より歩く速度が遅くなった、散歩の途中で休むことが増えた、階段や段差を嫌がるようになったなどの変化がある場合は、年齢だけが原因とは限りません。

体の痛みや病気が隠れていることもあるため、気になる変化が続く場合は獣医師に相談しましょう。

5.犬が突然散歩で歩かなくなったら要注意

犬が散歩で歩かなくなったときに、特に注意したいのが「突然の変化」です。

これまで毎日元気に歩いていた犬が、ある日から急に散歩を嫌がるようになった場合は、何らかの異変が起きている可能性があります。

たとえば、足を痛めていたり、肉球に傷ができていたり、関節などに痛みを感じていたりするかもしれません。

また、散歩だけでなく、家の中でも元気がない場合は、体調不良が関係している可能性もあります。

食欲や水を飲む量、排便・排尿、睡眠時間など、普段の生活にも変化がないか確認してみましょう。

歩き方がおかしい、足を引きずる、痛がる、元気や食欲がない、呼吸が苦しそうなど、気になる症状がある場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。

「散歩に行きたくないだけ」と決めつけないことが、犬の健康を守ることにつながります。

6.おまけ:柴犬の「拒否柴」って何?

皆さんは、「拒否柴(きょひしば)」という言葉を知っていますか?

拒否柴とは、主に柴犬が散歩中などに突然立ち止まり、座り込んだり伏せたりして、なかなか動こうとしない様子を表す、飼い主さんたちの間で使われる言葉です。

SNSなどでは、その愛らしい姿が紹介され多くの方が癒されています。

散歩拒否自体は他の犬種でも見られるのですが、柴犬の警戒心の強さ、マイペースな性格が理由で目立ちやすいため、「柴犬の代名詞」のようにいわれています。

しかし、柴犬が歩かないからといって、すべてを「拒否柴だから」と片付けてしまうのは注意が必要です。

柴犬であっても、暑さや疲れ、恐怖、痛みなどが原因で歩かなくなることがあります。

特に、普段は普通に歩いている柴犬が突然散歩を拒否するようになった場合は、まず体調や足の状態を確認しましょう。

「拒否柴かな?」と微笑ましく見守れるケースもありますが、いつもと明らかに様子が違うときは、体調面を優先して考えることが大切です。

7.まとめ

犬にとって散歩は、運動だけでなく、外の世界を探索したり、飼い主さんと一緒に楽しい経験をしたりする大切な時間です。

歩かないときは、「どうすれば歩かせられるか」だけを考えるのではなく、「どうすれば散歩を安心して楽しめるか」という視点を持ってみましょう。

愛犬の気持ちや体調に寄り添いながら、その犬に合った散歩を見つけてあげましょう。