獣医師アドバイス

2026.09.03

【獣医師監修】犬は何歳からシニア?年齢の目安と変化・ケアのポイント

「愛犬の口周りに白髪が増えた」
「散歩のペースがゆっくりになった」

そんな変化に「うちの子もそろそろシニアなのかな」と感じ始めた飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。犬は何歳からシニア犬と呼ばれるのでしょうか。

実は、犬のシニア期に明確な定義はありません。一般的な目安としては7歳前後からといわれることが多く、大型犬ではより早まる傾向にあります。

本記事では体格によって異なるシニア期の目安や加齢に伴う変化、注意したいケアのポイントなどを詳しくお伝えしていきます。高齢になった愛犬との時間を穏やかに過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

沼田花香

北海道出身のライター。 元病棟看護師。 舞台俳優やモデルなど、表現者としてエンタメシーンにも携わってきた。美味しいものが大好きな辛党。「自利利他」がモットー。

ペットカートに乗っているワンちゃんの涼しげな表情がかわいくて好きです。 ドラゴンクエストのスライムを模したペットカートを見つけたときは、購買意欲を掻き立てられました。現在我が家にペットはいないのですが……。

note

X

監修した人

植田 紗妃

東京都出身。臨床獣医師として動物病院勤務。趣味は勉強、筋トレ。幼い頃から愛犬とドッグランで走ることが大好き。ブリタニースパニエル2頭とソマリ1頭と暮らす。

歳をとって、お散歩したいけど長距離歩けない子にとって優しい一手。暑い時は扇風機と日傘を、寒い時は電気毛布を入れて今までより快適なお散歩にしたい。過ごしやすい日はレジャーシートやおやつを入れて好きなタイミングでピクニックをする。

Facebook

1.犬は何歳からシニア?(図解/体格別)

ライフステージの目安は犬のサイズごとに異なります。傾向として、体格が小さいほど老化速度が遅く、寿命が長いといわれています。

アニコム損害保険株式会社が公表している『家庭どうぶつ白書2025』によると、2023年度の犬の平均寿命は14.1歳となっています。

以下のチャート図は同社により2016年に公表された犬種別の平均寿命を参考に作成したものです。犬の寿命とシニア期の目安を体格別に示しました。

※アニコム損害保険株式会社「犬種別の平均寿命を調査 | ニュースリリース 」(https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html)、にゅうた動物病院「犬のシニア期は何歳から?| 老犬のサインと健康管理のポイント」(https://nyuta-ahp.com/column/dog-senior-stage/)を基に執筆者作成。(2026-07-16参照)

〈小型犬・中型犬・大型犬 とは〉

  • 小型犬・中型犬・大型犬といった犬のサイズを示す区分には、実は明確な定義がありません。 本記事では、アニコム損害保険株式会社『犬種別の平均寿命を調査』の基準を参考に、小型犬は体重5~10kg、中型犬は体重10~20kg、大型犬は20~40kgと定義します。

2.犬と人間の年齢

「愛犬の年齢を人間に置き換えると、今年で何歳くらいになるのだろう」

そんな疑問を抱き、一度は調べてみたことがあるという飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は「犬の年齢を人間に置き換えると〇〇歳くらい」というような換算方法のスタンダードは、研究が進むにつれ、変化を遂げています。

これまで「犬は人間の7倍の速さで年をとる」という言葉が広く知られていました。その後、犬のサイズ別に調整された年齢換算表が普及するようになり、2019年にはアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームによって新たな年齢換算の計算式が発表されたのです。

遺伝学者のティナ・ワン氏が率いる同研究チームは、加齢に伴って犬のDNAに起こる変化、特にDNAに「メチル基(CH3)」が結合する化学反応(DNAメチル化)に着目し、計算式を導き出しました。

ただし、この研究の対象は104匹のラブラドール・レトリーバーだったため、犬種別の体格差まで考慮されたものではありませんあらゆる犬種に必ずしもぴったりと当てはまるとは限りませんが、愛犬のライフステージを把握するための目安として参考にしてみてはいかがでしょうか。

2-1.犬の年齢を人間の年齢に置き換える【計算方法】

前述した研究チームによって発表された計算式は以下の通りです。

人間の年齢 = 16 × ln(犬の年齢) + 31

ln:自然対数(ネイピア数e ≒ 2.71828を底とする対数)

研究の結果、犬が8週齢のとき、人間における9ヶ月の赤ちゃんに相当することが分かりました。さらに、ラブラドール・レトリーバーの平均寿命である12歳のとき、人間の世界的な平均寿命である70歳に対応するということも分かっています。一方、その間にあたる成犬の時期には、人間よりも犬の方が早く老化するため、上記のような複雑な計算式になるのです。

この計算式で求められる犬の年齢換算表をご紹介します。

2-2.犬の年齢を人間の年齢に置き換える【年齢換算表】

◆カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究を基にした犬の年齢換算表

犬の年齢(歳) 人間の年齢(歳)
1 31
2 42
3 49
4 53
5 57
6 60
7 62
8 64
9 66
10 68
11 69
12 71
13 72
14 73
15 74
16 75
17 76
18 77
19 78
20 79

※Wang T, Ma J, Hogan A … Quantitative Translation of Dog-to-Human Aging by Conserved Remodeling of the DNA Methylome Cell Systems, 2020; 11, 176-185.e6(https://www.cell.com/fulltext/S2405-4712(20)30203-9)、株式会社カラーズ GDCリテール事業本部「犬の1年は人間の7年」はもう古い?犬の年齢を人間に換算する新しい研究結果を見て思うこと」(https://www.green-dog.com/feature/dog/life/12313.html)を基に執筆者作成。

ラブラドール・レトリーバーを分析して導き出された計算方法であるため、やはり小型犬ではギャップが生じることが考えられます。犬が1歳の時点で人間の31歳に相当するとは、大型犬においても早いと感じられるかもしれませんね。

そこで、環境省が公開している、従来よく使用されていた年齢換算表もご紹介しておきます。

◆犬と人間、猫と人間の年齢の目安(品種等によってもこの関係は違ってきます)

犬・猫の年齢(歳) 人間の年齢に換算した年齢(歳)
大型犬
※12+(年齢-1年)×7
小・中型犬、猫

※24+(年齢-2年)×4

1 12 15
2 19 24
3 26 28
4 33 32
5 40 36
6 47 40
7 54 44
8 61 48
9 68 52
10 75 56
11 82 60
12 89 64
13 96 68
14 103 72
15 110 76
16 117 80
17 124 84

※環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full_b.pdf)を基に執筆者作成。

コメント

  • 新旧どちらの換算方法も、部分的には体感とのギャップを感じるところがあるかもしれません。 このような計算式や換算表は目安として活用しながら、愛犬の体力や健康状態に合わせた関わりやケアを意識していきたいですね。

3.シニア犬に表れる変化

シニア期を迎えると、見た目や行動に以下のような変化が表れることがあります。このような変化が単なる老化現象なのか、病気の初期症状なのかは判断が難しい場合も多いものです。気になる点については早めに獣医師に相談するようにしましょう。

※ユニ・チャーム「犬の老化と見た目に表れる老化のサイン」(https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/d_01.html)、かやま動物病院「シニア犬の体の変化とは?老化サインを見逃さずに早期のケアを!」(https://www.kayama-ah.jp/16932731550300)、たか動物病院「シニア犬っていつから?愛犬の老いの見分け方と向き合い方」(https://taka-vet.jp/column/883/)、The Mars, Incorporated「シニアになって気を付けることは?|愛犬のためにできること」(https://www.promanage-pet.jp/carepoint/017/index.html)、日本全薬工業株式会社「【図解】高齢犬とは何歳から?老化のサインと注意点 | ハグわん / ハグにゃん」(https://www.hash-hugq.com/dog/article/detail/id=5995)を基に執筆者作成。

シニア期に注意すべきことの一つに肥満があります。若い頃以上に運動や食事の管理が大切です。ただし、運動を嫌がる素振りを見せる場合は、無理をさせないようにしましょう。体のどこかに不調や痛みを抱えている可能性もあるため、些細な変化に気を配り、こまめに病院で診てもらう習慣を持つと安心です。

コメント

  • トリミングサロンが併設された動物病院などをかかりつけにすると、定期的なケアのついでに健康状態をチェックする習慣を作りやすいですよ。

4.シニア期のケア(食事・運動・環境)

4-1.食事面で気を付けたいポイント

健康を維持するためには、年齢や抱えている症状に合わせた良質なフード選びが重要です。

☆シニア期には肥満と削痩(さくそう・著しく痩せている状態)のどちらにも陥りやすくなるため、体重や摂取カロリーのコントロールをより意識しましょう。

☆カリカリのドライフードを食べづらそうにしているときは、ぬるま湯でふやかして与えることで食べやすく、同時に水分補給も可能になります。ふやかすことで香りが立って食欲が向上したり、消化しやすくなったりといったメリットも期待できますよ。

フードを選ぶ際には、主に栄養素の豊富さや消化の良さ、品質、味(嗜好性)、食べやすさなどが重視されます。インターネットや動物病院などでフードの無料サンプルを受け取れることもありますので、愛犬の状態や好みに合うフード選びに役立ててみてくださいね。

なお、療法食への切り替えの際には自己判断をせず、安全性や適切な給与方法について、必ず獣医師の指導を受けるようにしましょう。サプリメントなどを取り入れたい場合も、健康状態や治療への影響、管理方法について、事前に相談することをおすすめします。

〈療法食 とは〉

  • 療法食とは、特定の病気や年齢、健康状態に合わせて作られたフードのことです。抱えている病気や症状によって必要な栄養は異なるため、一般的なフードよりも栄養素の量や比率が特別に調整されているという特徴があります。状態に合わせて継続的に与えることで健康状態の維持をサポートするものですが、療法食は獣医師の診断や指導に基づいた給与が推奨されています。フードを療法食に切り替える際は安全のため、事前に獣医師へご相談ください。

4-2.運動面で気を付けたいポイント

シニア犬になるとお散歩を拒否したり、外に出てもすぐに帰りたがったりすることがよくあります。お散歩には血行促進や脳の活性化といった効果も期待できるため、工夫をしながら無理のない範囲で継続することが大切です。

☆愛犬のペースに合わせてゆっくりと歩き、お散歩コースには段差や傾斜の少ない道を選びましょう。

お散歩の後半やお出かけ先で愛犬が疲れてしまった際には、ペットカートの活用がおすすめです
お散歩への拒否感が強い日や、暑さで路面を歩くことが難しい日にも、ペットカートでの外出であれば負担なく外の空気や景色に触れることができます。シニア期には体温調節機能が低下し熱中症や低体温のリスクも高まるため、状況に応じて活用してみてください。
また、ペットカートでの移動を楽しんだ日は、室内遊びを長めに取り入れるなどして運動時間も確保しましょう。

使う目的やシーン、機能性で選べる!コムペットのペットカート診断はこちら

【初めてのペットカート】ペットカートの活用方法・選び方・FAQはこちら

コメント

  • 歩くことを嫌がるようになると「もうお散歩は難しいのかな」と寂しく感じてしまいますが、抱っこやペットカートを活用して外の風や匂いを感じるだけでも、愛犬にとって良い気分転換になりそうですね。

また、足腰が弱ってきた愛犬のサポートとして、歩行を補助してくれるアイテムの活用もおすすめです。

[メモ 立ち上がり支援のポイント]

  • サポーターを装着した状態で立ち上がりを支援する際は、上から無理に引き上げるのではなく、犬の胸や腰を支えるようにしましょう。そうすることでお腹を圧迫することなく、効果的にサポートできますよ。

愛犬と過ごす毎日をより楽しく快適なものにするため、便利なアイテムを上手に活用していきましょう。

4-3.環境面で気を付けたいポイント

シニア期を迎えると犬は視覚や聴覚が衰え、動きが鈍くなっていきます。

愛犬が安全に過ごせるような環境づくりを心がけたいものですが、慣れた空間や家具の配置を大きく変えると混乱してしまう可能性もあります。いつも通りの安心できる居場所に、少しの工夫を加えてあげることが望ましいでしょう。

☆誤食などの事故を防ぐために、愛犬が過ごす室内には危険なものを置かないようにしましょう。タオルや靴下、ティッシュ、おもちゃ、観葉植物などに注意が必要です。

☆今まで問題なく食べていたフードやおやつでも誤嚥(ごえん・食べ物や飲み物、唾液などが誤って食道ではなく気管に入ってしまうこと)する恐れがあります。
誤嚥することで肺炎を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。寝た状態で食べ物を与えない、食事中は見守るといった対策を取りましょう。

☆水やフードの器には台などで適度に高さをつけましょう。食事の際に頭から背中にかけて自然な姿勢を保てるようにすることで首・前足への負担を避け、誤嚥のリスクを軽減することにもつながります。

☆足腰への負担軽減には、床に滑りにくいマットを敷く、大きな段差にはステップやスロープを置くなどの工夫が有効です。

☆犬種や体格によって適切な温度や湿度は多少異なりますが、室温は23~26度、湿度は50~60%程度を目安に愛犬の様子を見ながら調節してあげましょう。暑さが厳しい日には犬用のアイスマットなどの活用がおすすめです。

先にご紹介したコムペットのペットカートにジャストフィットするアイスマット EG プラスは、水滴が出にくい「アイスバッテリー」を着脱・増減して使用できる便利アイテムです。

ひんやり涼しいだけではなく、超・衝撃吸収材「エッグショック」を採用しており、ペットカート内の揺れや衝撃も吸収してくれます。丸洗い可能なこちらのマットは、暑さのこもりやすいペットカート内ではアイスバッテリーとセットで、室内や車内などでは単体でも使用可能です。暑さ対策にぜひ活用してみてくださいね。

コムペット アイスマット EG プラス

価格:10,000円(税込11,000円)

カラー:スターネイビー

サイズ:W550×D320×H28mm

 

高性能保冷素材アイスバッテリー

価格:5,018円(税込5,520円)

カラー:シルバー

サイズ:W130×D20×H170mm

5.気をつけたい病気と受診の目安

シニア犬によくみられる病気は心臓の病気、内分泌(ホルモン)に関わる病気、腫瘍などが挙げられます。中には初期症状が見られない、または分かりにくい場合があり、医療従事者でなければ発見が難しいことは多々あるものです。

シニア期に入ってからは特にささいな変化に目を光らせ、例えば息切れをしている、寝ている時間が多い、水をたくさん飲む、尿量が増えたなどの変化や症状に気付いた際は、早めに病院にかかることが重要です。

特に異変を感じなくても、半年に1度はかかりつけの動物病院で健康診断を受けるようにしましょう愛犬の健康寿命を延ばすためには、早期発見・早期治療が大切なポイントです。

6.まとめ

ここまで、シニア期に見られる変化やケアの注意点などをご紹介してきました。

人間よりも早く老いていく愛犬の姿に、寂しさや不安を感じる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。できる限り元気に長生きをしてほしい、シニアになっても穏やかに楽しく過ごしてほしいという願いや気配りは、きっと言葉を話さない愛犬にも通じているはずです。

愛犬の変化を見逃したくない、一緒に過ごす時間をより良いものにしたいという飼い主さんには下記の記事もおすすめです。

【獣医師監修】愛犬がうっとりするマッサージ|効果・正しい手順・注意点

ぜひ、本記事と併せて参考にしてみてくださいね。