実態調査!ペットカート選びで重要視している
ポイントとは?
愛犬との暮らしの中で活躍するペットカート。皆さんは、どんなところにポイントをおいて
選んでいるのでしょうか?実際にペットカートをご愛用の飼い主さんにアンケートを実施しました。
また、使っていて困ったことやヒヤリとした体験についてもお聞きしています。皆さんの声をもとに、
ペットカートをより安全かつ快適に使うための獣医師からのアドバイスもお届けします。
Q. ペットカート選びで重要視しているポイントは?
- ペットカート選びの重視ポイントは
「安全性」が8割、ついで4項目が横並びに - ペットカート選びで重要視するポイントを複数回答形式で尋ねたところ、トップは「安全性」で約8割の人が重視しています。
次いで、「軽量さ」「デザイン・色」「操作性」「折りたたみのしやすさ」の4項目がほぼ横並びで、それぞれ5割強の人が重視するという結果に。
回答者数400人、総回答数1,626なので、1人平均4項目を選んでいることになります。「安全性」をベースとして、あとは人によって優先される3項目が選ばれているようです。
Q. ペットカート選びで最も重要視しているポイントをひとつだけあげると?
- 最重視ポイントになると、「操作性」が2位に
- さらにペットカート選びでの最重視項目を1つだけ挙げてもらうと、やはり「安全性」がトップで5割強。続いて、横並びだった4項目中、「操作性」が 一つ抜けて、2位にランクインしました。
ペットカート選びにおいては、「安全性」と「操作性」という、ハードとしての機能面での品質の高さが、他の要素に優先して重視されていることがわかります。
Q. ペットカートを使用して困ったことやヒヤリとした体験がありますか?
- 3分の1の方が、困ったこと・
ヒヤリとしたことを体験しています - ペットカート使用者の約1/3が、困ったことやヒヤリとした体験があると回答しています。
具体的な“ヒヤリ体験”としては、カートからの「飛び出し・落下」が最多数。原因は幌を開けていた、リードを付けていなかった、カートが浅く、リードを付けたまま飛び出して宙づりに…などケースは様々。また、「段差」でのつまずきや、がたつきによる危険を指摘する声も多く聞かれました。
- 「困ったこと」「ヒヤリとした体験」を具体的にお聞きしました
- 飛び出し・落下
- 「キャリーの深さが浅い」「段差での引っかかり」など
- キャリーの深さが浅くて飛び出した。ハーネスと飛び出し防止のリードは装着していたので、宙吊りに。
- 段差で引っかかるため少し勢いをつけて押したら、箱乗りしていた愛犬がカートから落ちてしまった。
- 操作性が悪い
- 「片手で押すと安定しない」「段差でつまずく」など
- 保散歩の最初は2頭を歩かせ、片手でカートを押していくが、安定しなくてフラフラ。もっと片手で使いやすければ…と思う。
- 使用中のカートが重く、ちょっとした段差でもつまずくことがあり、反動でワンコが落ちそうになり慌てた。
- 場所をとる・重い
- 「電車移動が不便」「車のトランクに収まらない」など
- 意外と重く、電車移動のとき、エレベーターのない駅だと抱えて乗り換えする際に、女性だと大変。
- 多頭用に大きめのカートを衝動買いしたが、折りたたんでも大きくて車のトランクが使えなくなった。
- 改札が通らない。
- 折りたたみにくい
- 「バスに乗る時に手間がかかる」など
- 現在使っているカートは、折りたたみがしづらく、自立しないので置き場所に困る。
- バスはカートで乗り込めないので、折りたたみに手間がかかって大変だった。
- がたつきがひどい
- 「小回りが利かない」「走行しずらい」など
- 小回りが利かず、舗装されたアスファルトの上でさえ、ガタガタ走行。二度と使っていない。
- 足回りが悪く、走行しづらかったり道路のわずかな段差にもかなり揺れたり、がたついたりする。
- 遮断性が不十分
- 「ワンちゃんが勝手に蓋を開けてしまう」など
- 何も言わずカートの中に手を入れてくる方がいる。
- ワンコが簡単に鼻で蓋を開けてしまうので、電車内でカートから出てしまいそうになる。
- かごの中を大型犬にのぞきこまれ、びっくりして飛び出して、カートを横倒しにした。
- こんな危険も
- 「カートが倒れてきた」「熱中症気味になった」など
- 持ち手に付けていたフックにかけた荷物が重すぎたのか、荷物側にカートが倒れてきた。
- 夏場の炎天下でのお出かけのとき、思ったより温度が上がっていて、熱中症気味になった。
獣医師からのアドバイス
重要なのは、自分たちにとっての
リスクとメリットを知ること
ペットカートをより安全かつ快適に活用していただくために、弊社のペットカート「コムペットミリミリ」の
監修獣医師でもあるグラース動物病院 院長の小林豊和先生にアドバイスをいただきました。
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ペットカートが愛犬の
ストレスにならないように今回のアンケートで最も多かったヒヤリ体験は、「飛び出し・落下」です。
ペットカートを使うときは、飛び出し防止用リードを装着し、幌を閉めるのが原則ですが、それ以外にも、カート選びの際に「キャリー部の深さ」にもこだわっていただきたいと思います。キャリー部が浅すぎることが、飛び出しの大きな要因になっています。
つなぐリードの長さにも注意が必要です。長過ぎると、飛び出して宙吊りの原因になりますし、2頭で使う場合は、カートの中でリードが絡まって自由が利かなくなることもあります。また、カートの遮断性も大切。犬が興奮したり怯えそうな場所では、幌カバーを下ろして外を見えなくすることで、犬の不安を軽減し、落ち着かせることができます。
犬が飛び出す理由は、閉塞感から落ち着かない、外出がうれしくて飛び跳ねてしまう、飼い主の姿が見えなくて不安、他の犬に興奮して飛び出してしまう…など様々です。愛犬の性格や習性を踏まえて、カートにいることが犬のストレスにならないような、カート選びや使い方をしてあげたいものです。飼い主さんにとっても
扱いやすいことが重要小回りが利かない、走行時にガタガタする、折りたたみに時間がかかる…などの使い勝手への不満も聞かれました。そのために、せっかく買ったペットカートがあまり使われないとしたら、非常にもったいないことですよね。
愛犬の好みも大切ですが、飼い主さん自身が扱いやすく、使っていてストレスを感じないことも、カート選びでは重要な要素です。カートを選ぶときは、できるだけ実物に触れてみて、使い勝手の確認をすることをおすすめします。事前に使用シーンを
イメージしてみようペットカート選びで失敗するのは、事前に使用シーンをイメージできていないからではないでしょうか。
主にどんな用途で使うのか。利用するのは徒歩か車か電車か。愛犬の性格はどうか。どこに収納するのか…など、使用シーンを具体的に考えていけば、カート選びで優先すべき条件が見えてくるでしょう。
すべての条件を満たす完璧な製品はなかなかありません。自分と愛犬にとってのリスクとメリットを十分に検討したうえで、自分たちにとって最も高メリット、低リスクのものを選んでください。
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監修獣医師
グラース動物病院 小林 豊和 先生 -
グラース動物病院(東京都・杉並区)院長。最新の獣医料の提供とともに。
予防医学を重視し、肥満犬や高齢犬の生活指導や食事指導にも注力。
著書・テレビ出演など多数。